遺産相続トラブルで兄弟絶縁にならないために必要なこと

この記事でお話しすることは以下の3つです。

  1. 相続をめぐるトラブルは、相続税だけとは限らない。
  2. 相続は一種の臨時収入。相続財産が多くなるほど、相続人同士がもめやすい。
  3. 地主や都市農家は、本家をどう守っていくかが重要であり、戦後の均等相続の考え方がそぐわない面がある。

最悪のケース、遺産相続トラブルで兄弟絶縁になってしまうなんてことも・・・!

遺産相続トラブルで兄弟絶縁にならないためにも、上記3つをしっかりと把握しておいて、遺産相続トラブルを未然に防いでいきたいところです。

それでは、まいります。

【遺産相続トラブルでの兄弟絶縁を防ぐ】相続税が重くてトラブルになるケースは少ない?

不動産を多く所有する地主や都市農家のみなさんにとって、相続税はとても頭の痛い問題になっています。

早いうちから手を打たないと、思いもよらない額の相続税がかかるかもしれません。

そうなってから慌てても、手遅れになりがちです。

横浜近郊の駅周辺に駐車場や貸しビル、アパートなど多くの不動産を所有する一族の長男Bさんは、昨年父親を亡くしました。

母親はすでに亡くなっており、相続人はBさんと2人の弟の3人でした。

父親は生前から、「自分が亡くなったらこの家は長男のBが引き継ぎ、守っていくように」ということをことあるごとに話し、弟たちには結婚の際の支度金などいろいろ金銭面で援助をしていました。

そうした経緯もあり、父親の四十九日の法要が終わった後、Bさんは2人の弟に遺産分割について自分の考えを伝えました。

父が残した不動産はBさんが相続するとともに、相続税の支払いに備えて父が準備していた預貯金や株についても半分はBさんが相続するというものです。

すんなり賛成してくれると思っていたら、まったく違いました。

2人で事前に相談していたのか、金融資産は自分たちがもらいたいというのです。

そうなると、納税資金が足りなくなり、不動産の一部を売らないといけません。

相続税の申告期限も迫るし、どうしたものか頭が痛いです。
相続税がかなりの額になることは事前に分かっており、父親もだからこそ納税資金のために預貯金や株を残していました。

兄弟の仲がよかったことから、特に遺言もしていませんでした。

しかし、相続はそうした兄弟関係を変えてしまうきっかけになります。

相続をめぐるトラブルは、相続税の重さとは関係なく、むしろ兄弟関係によって引き起こされるのが現実です。

年間130万件の相続が発生

日本は少子高齢化が進むととともに、年々亡くなる人が増えています。

2016年には年間130万人近い人が亡くなりましたが、政府の推計では2030年には年間160万人を超え、それ以降も150万人を超える人が毎年、亡くなると予想されています。

人が亡くなると必ず起こるのが「相続」です。

つまり、日本はいまや世界有数の「相続大国」なのです。

【遺産相続トラブルでの兄弟絶縁を防ぐための思考】相続は臨時収入のようなもの

人が亡くなれば相続が発生しますが、相続税が必ずかかるわけではありません。

2015年から基礎控除が引き下げられました。

2015年に発生した相続のうち相続税がかかったケースは全国平均でそれまでの4%台から8%に急増しました。

東京都(5.7%)、愛知県(3.8%)、神奈川県(2.4%)は10%を超えます。

しかし、相続税がかかるかどうかに関係なく、相続をめぐるトラブル、つまり相続人同士の争いは年々増えています。

相続は相続人にとって、ある意味、臨時収入のようなもので、しかも金額が大きくなりがち。

「自分はいくらもらえるのか」でもめるのです。

こんなケースもありました。

被相続人は長男、相続人は弟と妹です。

高齢になった独身の長男の介護をずっと妹がしており、弟はかなり以前から長男とは仲が悪く、「遺産はいらない」と言っていました。

ところが、相続が発生したら、長男の遺産の半分をもらいたいと弟が言い出したのです。

理由は、家庭の経済事情の変化です。

「長男の遺産はいらない」と言っていた頃はまだ大手企業に勤務していましたが、相続が発生したときは定年を迎えた後。

仕事をしているときと定年後では、言うことが変わることは珍しくありません。

こうしたトラブルの当事者間の話し合いで解決できればいいのですが、なかなかそうはいきません。

相続財産の額が大きくなればなるほど関係者の思惑は錯綜し、さらに長年の積もり積もった不満やわだかまりが噴き出したり、相続人の配偶者(妻または夫)が口出ししてきたりすることもあります。

当事者の間で話し合いがつかなければ、裁判所で決着をつけることになります。

年々、遺産分割をめぐる調停などは増え続けています。

【遺産相続トラブルでの兄弟絶縁を防ぐ】相続対策は早ければ早いほどいい

相続対策の基本は、相続が発生する前に手を打つことです。

それも、着手するのが早ければ早いほどよいとされます。

いざ被相続人が亡くなると、資産(および負債)は相続人へ移ります。

節税対策としてよく使われる生前贈与やローンの借入れ、資産の組み替えなどは一切できなくなります。

また、葬儀をはじめいろいろな行事が続きます。

相続税の申告と納税は、相続の発生から3カ月以内と決まっているのですが、10カ月などあっという間です。

相続対策は早めに着手したほうがいいもうひとつの理由は、認知症などで被相続人の意思能力が低下するケースがあるからです。

「意思能力」とは、ある法律行為を行う意思を持ち、その結果を判断したり予測したりできる知的能力のことをいいます。

意思能力がない者が行った法律行為は基本的に無効とされます。

一般に幼児や泥酔者などは意思能力がないとされます。

高齢で認知症の疑いのある人も、意思能力が問題になります。

認知症の人については、成年後見制度を利用して成年後見人を付けるという手があります。

しかし、成年後見人が被後見人に代わって遺言を作成したり、不動産を売却したりすることは現実的ではありません。

制度上、被後見人の資産を処分するような重要な法律行為には裁判所の許可が必要ですが、裁判所がまず認めないからです。

厚生労働省の最近の研究によると、65歳以上の高齢者のうち認知症の人は推計15%、2012年時点で約462万人いるとされます。

認知症になる可能性がある軽度認知障害(MCI)の高齢者も約400万人いると推計されます。

これらを合わせると、65歳以上の4人に1人が認知症とその予備軍です。

親族の仲たがいは他人同士より激しい

相続対策では分割対策、納税対策、節税対策の3つのバランスが重要です。

相続対策というと、つい節税対策ばかり気にする人がいますが、ナンセンスです。

むしろ、節税対策はほかの2つの後で考えたほうがよいでしょう。

なぜなら、節税対策の多くはテクニックの話です。

理屈の上ではいろいろなやり方があります。

一方、分割対策は「遺産相続をどう分けるか」ということであり、関係者の生々しい人間関係のもつれがダイレクトに反映されます。

たとえば、被相続人が相続人のうち誰か一人だけ極端に優遇したり、あるいは相続人のうちの一人が抜け駆け的なことをしたりすると、仲の良かった兄弟間の関係が一気に悪化することがあります。

親族の仲たがいは、他人同士よりも激しいことになりがちです。

「絶対許せない」「顔もみたくない」「もう親戚でもなんでもない」などといった言葉が飛び交うと、節税対策のテクニックなど吹き飛んでしまいます。

節税対策として「こうすればいい」と分かっていながらそれがまったく実行できず、むしろ相続税の負担が増えるかもしれません。

地主や都市農家ほど「争続」が起きやすい?

親族同士が相続をめぐって争う「争続」は、確実に増えつつあります。

地主や都市農家では代々、家長が亡くなったとき、長兄が家の財産を相続し、ほかの兄弟姉妹は多少の遺産を受け取ることで納得するのが当たり前でした。

そのかわり、長兄は一族のリーダーとして、家のお墓と財産を守り、何かあればほかの兄弟姉妹などを支援する。

それが暗黙の了解だったのです。

旧民法では、兄弟関係のルールとして「戸主」が一家を率いる「家制度」を採用し、相続についても戸主がすべての財産や権利を引き継ぐ「家督相続」が定められていました。

しかし、戦後の民法改正で、家制度は廃止され家督相続もなくなりました。

相続では配偶者の権利が強化されるとともに、子については均等相続が原則になり、また一定範囲の相続人には「遺留分」が認められるようになりました。

これはもちろんよい面もありますが、相続人の間での遺産分割をめぐる遺産相続トラブルの原因にもなっている気がします。

コンサルティングの現場でよく思うのですが、家長である親が生きているうちはあまりもめません。

それは家長が一家にとっての太陽であり、親族はその周りをまわる惑星、だからです。

ところが、家長がいなくなると“太陽”がいなくなり、“惑星”はてんでんばらばらの動きをするようになります。

個人的な印象では、地主や都市農家の家長が亡くなった後、兄弟同士が争うようになる確率は7~8割にのぼります。

相続について話し合う中で「おかしい」「損している」という思いが生まれると、金銭面の対立から感情的な対立へとエスカレートしていきます。

恨みや意地でどんどん泥沼に陥るのです。

相続争いが泥沼化すると、税金の納税猶予やそのほかの税制上の優遇借置を受ける上でもマイナスです。

例えば、後で触れますが、農地の相続税について納税猶予を受けるためには、相続税の申告期限内に遺産分割を終えておくことが必要です。

相続から10カ月がたっても遺産分割を終えることができなければ、納税猶予の適用を受けることはできなくなります。

高額の相続税を支払うため、多くの農地を売却せざるをえなくなってしまい、農業を続けていくことが難しくなります。

また、相続税の計算において不動産の評価額を大幅に下げることができる「小規模宅地等の特例」も受けられなくなるおそれがあります。

この特例の適用を受けるためには、やはり遺産分割を終えていることが前提となるからです。

相続の前後を通して兄弟関係が良好であること、あるいは少なくとも相続後のトラブルを最小限に抑えることが、「得する相続」における大前提です。

そのためには、遺言の作成、ファミリーカンパニーの活用などが役に立ちます。

【遺産相続トラブルでの兄弟絶縁を防ぐ】まとめ

いかがでしたか?

今回は以下の点について解説していきました。

  • 節税は大事だが、トラブル(争族)回避はもっと大事。
  • 親が認知症になってからでは手遅れ。相続対策は早めに着手する。
  • 相続人が子どもたちだけの場合(いわゆる二次相続)、もめることを前提にものごとを考えよ。
  • 遺産相続トラブルで兄弟が絶縁状態にならないためにも、事前の取り決めがとても重要です。

    たとえば、マンションの相続

    マンションを相続するときに、そのマンションをどう相続していくのかを話し合うんです。

    兄弟がいる場合、当然マンションに住めるのは片方だけ。

    兄弟で住むなんて選択肢はないんです。

    そこで、選択肢に上がってくるのがマンション売却。

    マンションを売却して、売却金額を兄弟で遺産分割するのです。

    とはいえ、マンション売却をしてどのくらいで売れるのかわからないので、なかなかこの選択肢を簡単には選べませんよね。

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